独白 口にするにはもどかしい想い

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何もしなくても時間は過ぎていくし、働いたり音楽をやったりするだけであらゆる やらなければいけないこと に追われてしまう。 けれども、それをふたりでそれぞれができる分ずつ負担することで、こういうぽっかりと空いた時間をもてるようになった。何かに守られているような、包まれているような居心地のいい時間。 それは例えば、今日のようにただ2人並んでカーテンの向こうから微かに聞こえる街の音に耳を澄ませながらポテトチップスを食べるためだけにある時間だったり、はたまた眠れない夜にあまり見えないのに星を探しに出かけたりしたくなるような時間だ。 もやもやした気持ちから始まるポテトチップス作りも出来上がる頃には幸せの欠けらに変わるのだ。 目の前の優しい黄色のような淡い暮らしが今後も続けられますように。そう念じて一つ、できたての幸せを頬張った。
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