体温と、匂いと

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「――は? おい季帆」 「あ、おかえりなさい。なんですか?」 「お前なに着てんの、それ」 「なにって、ジャージですけど」 「お前のじゃないだろ、やたらでかいし」 「あ、はい。さっき三上くんが貸してくれたんです。寒そうだからって」 「は? 誰だよそいつ」 「同じクラスの人です。いつもなにかと親切にしてくれて」 「へえ、ふざけてんな。俺ちょっと話してくる」 「なんでですか。って、ちょ、なんですか!」 「脱げよ、それ」 「や、やや、やめてくださいよ! ここどこだと思ってるんですか! そういうのは放課後まで我慢してください!」 「はあ?」
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