7人が本棚に入れています
本棚に追加
初登校からの次の早朝
3年の2学期終了間近に編入することになった九重 隆志は日本に数多くある魔剣学院との一般公開の交流会の事を聞かされた。
「中臣。本気で言ってるか?来週の期末試験とやらの実技成績上位者は学校代表として交流会の参加を推薦されるとの事だが、こんな幼稚なレベルの連中に俺がどうやって負ければいいのだ?」
今、俺が魔剣学院の生徒と刃を交えたとし、俺に傷をつけられる人が一名いるかどうかというレベルだ。
昨日の一日で、学年全員のオーラを読み取った。
強そうな連中は本当に僅かだったのだ。
丁寧に腰を低くした中臣は俺に答えた。
「ご心配なく。我が主様。今回の実技では、貴方様に《魔術封印》を掛けて頂きます。ですが私の魔術拘束で貴方様を縛れるのは貴方様の実力の半分にも満たしません。貴方様が御自分に掛けて頂ければと考えます。いかがなさいましょう?」
魔術拘束で自分が使える魔法を縛りつければそれなりにやれるか…
中臣が言うならば可能であるはずだろう。
「ところで、親父を狙った連中の素性は洗えたか?」
あれから10日程経ったが俺はいつでも臨戦状態である。
どんな時も自分の体内魔力を活性化させ、いつでも魔法を発動出来るようにしている。
魔力拘束を使ったとしても活性化している分だけは比例してオーラに影響する。
「その件なら、実行組織に司法のメスが入るようにしました。ただ、黒幕の方は政府の重役であるというところまでは分かっておりますが詳しくは判明していません。時間の問題でしょう」
俺は軽く喜びを感じ僅かな笑みを見せた。
そして俺は命じた。
「黒幕の正体を司法より早く見つけ出せ」
敵討ちを俺の手で成し遂げてやる。
その時、朝日が昇り出した。
最初のコメントを投稿しよう!