編入生

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そして、登校時間となった。 《纏の仮面》を行使して大文字(だいもんじ) 剛毅(ごうき)となった俺は魔剣学院に向かう為、中臣の部屋から出た。 中臣は早朝に命じた仕事を実行しに出かけている為、俺が部屋を戸締りする。 殺気を感じた俺はすぐさましゃがみこんだ。 次の瞬間 先ほどまで俺の頭があった場所を弾丸は通過した。 俺が中臣と間違われたのかもしれぬ。 中臣すら暗殺の対象なのか… 俺がいた魔法結社に対しての外部からの戦争(ドンパチ)かもしれない。 これまでの事は忘れろと日常的に言い聞かしてきたが自らの命が狙う中で忘れられられるわけがない。 親父との思い出を忘れようと意識しているが、意識しようと思うほど暗殺の糸を引いている者達への憎悪は積み重ねれられていく。 しゃがみこんだついでに俺は小声で唱える 「……転移……」 その場に魔法陣が浮かぶと、吸い込まれるように俺の身体はその場から消えた。 ここで生活できるのも後数日かも知れない。 優秀な日本の警察も極めて優秀という訳でない。 今回の銃撃の事も知ることの無いはずだ。 警察が守ってくれるという生易しい考えは持てない。 登校した俺は教室で浮かない表情を浮かべた。 「なんだ。元気ねぇなぁ!」 笑いながら近寄ってくるのは、クラス1のムードメーカーの河田(かわだ)だ。 誤魔化すのは簡単である。 何しろこいつは単純な男だ。 「編入早々に試験だ。面倒くさく感じるのは当たり前じゃね?」 少し不機嫌そうな声で俺は応じることにした。 「試験が面倒じゃないって感じる連中は結構少数派だし、お互い頑張ろうぜ!」 河田が笑いながら立ち去っていく。 俺は心の中溜息をついた。 彼らを俺と同じ世界に巻き込むことは好ましく無い。 なるべく関わらないようにしないとならない。 特に、ムードメーカーの連中と絡むと、芋づる式で多くの人を巻き込む事になる。 人に敢えて距離を置いて過ごすのは仕方ない。 今は、とにかく最小限の犠牲だだし、自分の為に生きるのが一番だ…
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