編入生

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俺は隙を晒すように構える。 相手が強者(ツワモノ)なら隙をを狙って攻めてくるのが定積だ。 ゴリ押しで勝つ事を好まないという性格なら当然の事だ。 隙をついて高速で打ちのめす事を選ぶ筈だ。 開始のコールが鳴った。 西田が素早く詰め寄る。 俺の無防備に晒している頭に剣を振りかざす。 吸い込まれるように落とされる剣の側面に俺は全く反応を見せない(・・・・) そんな斬撃など俺に傷一つ入らない。 それに無料(タダ)で叩かせてあげるわけでは無い。 斬撃の途中の為、防御が無い西田の喉を狙うと指で刺突を食らわせる。 西田は斬撃を止め後方に延く。 指の刺突をモロに食らった為か、呻き声を出す。 俺が《物体爆破》を放つ さきほどまで西田が場所が爆破される。 西田は剣に火を纏わせながら《身体加速》を併用する。 残像が見える速度の斬撃は俺の胸元を襲来しようとする。 (…遅い…弱い…) 俺はため息を着いた。 俺は《身体加速》を使うなら、人が視覚出来ないほど速く移動出来ないと未熟だと教え込まれた。 俺は力量の差を見せつけるべく斬撃に手を伸ばす。 驚愕の音が周囲に広がる。 斬撃を手で握り締めたのだ。 さらに握力をかけていく。 刃で手が斬れる事は無い。 西田の剣は一瞬で耐久出来ない程の力を受け粉砕された。 ただ、西田はあくまでも冷静だった。 折れた剣を捨てナイフを取り出す。 その時だった。 「その辺で辞めなさい。これはあくまでも試験です。誰も死ぬまで戦えとは言ってません」 試験を見学していた教師が中止を言い渡した。 西田は不服そうに教師を見る。 大文字 対 西田 の決着は記録上は引き分けとなった。 俺は一礼し教室に戻った。
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