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この辺から私の体に異変が起きた。
朝起きて顔を洗って鏡を見ると、右側の顔だけヒクヒクと痙攣してる。
昨日の今日で母は私を無視し、弟達の面倒を見てる為、私の顔には気付かない。
朝ごはんはあるものの、私の味噌汁には出汁で使ったであろう煮干しがそのまま入っていた。
いつもより時間はかかったが我慢して食べ、食器を流し台へ置いた。
置いたと同時に母が
「自分のは自分で洗って」と・・・
学校に行く時間も迫り、流し台の水道に手が届かない事でモタモタしてたら、母は私を突き飛ばした。
集団登校が義務化されてたので、私は泣きそうになりながらも、急いで集合場所に向かったが子供達は居なかった。
残ってたのは自分達の子供を見送って、世間話をしていたお母さん達と幼稚園ぐらいの子供だけ。
誰かのお母さんが、私の姿を見てビックリし、先に行ってしまった私のグループまで着いてきてくれたので、お礼を言って前の方に並んで登校した。
学校では友達と楽しく過ごしていたが、帰りの挨拶が始まると同時に自分の顔と体が強ばるのが分かった。
家に帰りたくなかった・・・
でも帰る場所が他にない・・・
考えた挙句、家の近くまで戻り自分の記憶を頼りに、祖父母の家に行こうと決めた。
後先考えずに・・・
自転車を持ってなかった私は、途中まで記憶通りに進んでいた。
薄暗くなるにつれて周りの雰囲気が自分の思っている風景と違う事にビクビクしながら先を歩く。
気付くと辺りは真っ暗で車もあまり通らず、不安と恐怖で泣きながら祖母を呼んでいた。
どのくらい歩いたか分からないし、歩き続けて足も痛くなりその場にうずくまり時間だけが過ぎた。
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