第一章 出会い

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僕はいじめにあっている。 不良が僕の顔に拳を振るう。ボガッ! 僕の鼻から血が垂れる中、不良は何回も僕の顔に拳を振るう。周りには不良の仲間達が僕が殴られるのを見て笑っていた。 不良のリーダー【相良 恵介(さがら けいすけ)】 相良の拳に血がついた瞬間、気が狂ったように奇声を上げ僕のお腹を蹴っ飛ばした。 意識が遠のく中、相良の暴れように危険を感じ仲間達は止めに入ってきた。 「やめろ!これ以上やったら死ぬぞ!」 相良は血のついた拳を僕の制服に塗ったくてきた。「お前汚えんだよ!」 身体中が痛い!頭がガンガンする。 僕の名前は【沖田 武士(おきた たけし)】 あれから月日は流れ、高校生になった。 いじめてきた相良達は他の高校、こんな日が来るのを僕は待っていた。もういじめられることはない。そう思っていた。 入学初日、後ろの席の人が話かけてきた。 「このクラスに同じ中学だった奴いる?」 話かけてきたのは【藤田 匠(ふじた たくみ)】 「いないよ。」僕が返事を返すと安心したらしい。「よかった!俺もいないんだよ!」 藤田君とは、2〜3分話したら仲良くなれた。RPGのゲームが好きな事を口にすると共感して会話が進んだ。 他のクラスメイトも集まってきて、気づいたら5人と話していた。 藤田君は明るい性格だから、自然と周りに人が集まってくる。 僕の高校生活は、いい感じにスタートした。中学では会話をする友達がいなかったから、笑うことなんてなかった。 まさか僕に友達が出来るなんて!?嬉しい! 僕はもういじめにあうことはないだろうと思っていた。そう思いたかった。 ところが僕の考えは甘かった。 ある日、元中学の女の子が僕のことを見て周りの女の子達にいじめにあっていた事を伝えた。それを聞いたクラスの奴らは僕を軽蔑しだした。 人の噂とは怖いものだ、僕が実際にやっていないことまで、噂された。気付いたらクラスメイトには虐められる原因は自分にあると思われるように作られていた。 作られた話はこうだ、自分はお風呂に入らなかったから臭かった。フケが頭に浮いてる。授業中に大便を漏らした。さまざまな作り話をされた。 ついこの間まで、仲が良かった藤田君や周りの友達も冷たい口調!気付いたら僕の周りに集まらなくなった。 クラスの奴らもそうだが、他のクラスからも陰口を言われるようになっていた。「あいついじめられてたんだって。」 僕は思う。中学校の頃いじめられていたからって、変な態度や変な目で何故見られなければならないんだ!おかしいだろ! 周りでは、僕が1人でいるのを見て陰口を口にして、クスクス笑い。 僕は、また1人になった。 生きていくのが辛い…。 どうしたら僕は、いじめから逃れらるんだ。 鼻から血が流れ、気付いたらトイレのタイルに倒れていた。 なんで?なんで?またいじめにあわなきゃならないんだ!僕が何をした! 前まで笑って話していた奴らは、僕なんかを見ぬ気もしない!不良連中に絡まれても無視。 身体も心もボロボロになった。 僕が楽しい事といったらゲーム。 RPGゲームでは、主人公と共に旅をする仲間がいる。互いにレベルを上げて強くなり、敵を倒していく。 敵に負ければ、レベルを上げ強くして再度挑戦して倒せば新たな敵が現れる。 主人公は剣を武器にして、剣には様々な種類があって、だいたい伝説の剣が最強! ゲームの世界では勝てない敵がいれば、レベルを上げて、レアな武器を手に入れることで強い敵にも勝てるようになる。 僕の世界はどうだ?人から変な目で見られては陰口を言われる。自分がいじめられているとわかった途端に馬鹿にする奴らが集まり、平気で暴力を振るってくる。 ゲームの世界みたいに自分のレベルを上げて、不良とかを倒せるようになりたい。 どうする事も出来ない実態にイライラする! 僕がいじめられていようと周りは関係ない。いじめる奴は決まって、キモイ・ウザイ・臭い・死ね。人の気持ちも考えないで暴言を吐く。 こんな日常が当たり前になってきて、これから3年間続くと思うと死にたくなる。 ある日、校庭の裏にクラスメイトの田中君が行こうと誘ってきた。 校庭の裏には、不良が数名いる。田中君は不良のリーダーに伝えた。「ほら連れてきたぞ。」 不良達は僕を見るなり「お前!相良に中学時代ボコボコにされたんだろ。」笑みを浮かべている。 きっと相良の不良仲間だろう。相良の不良仲間はこの高校にはいる。 ボコッ!「おい!聞いてんのか?」 僕に不良は拳を振るい。胸元を掴んできた。 僕は押し倒され、殴られるのを覚悟した。 「何やってんの!あんた達!」 聞いたことがない声。 女の子!?
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