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バシッドゴッ!女の子は掃除用モップで不良達を倒した。
僕に馬乗りしている不良が起き上がり女の子に飛びついた!女の子は不良の拳を交わし、不良の足に足をかけて転ばせた。
「てめぇ!ふざけんな!」不良は立ち上がり女の子に向かっていった。ドスッ!不良はお腹にモップの先を突かれた。
痛さに耐えきれず、不良は倒れこんだ。女の子はモップを不良の頭に目掛けて振り下ろした。シュッ!モップは不良の頭上を数センチ空きに止まった。「まだ痛い目にあいたい?」
他の不良達は起き上がるなり、その場を去って行った。
不良のリーダーはお腹を抑え悶絶しながら、立ち去って行った。
女の子はモップを地面につけた。
僕は一瞬の出来事に呆然としていた。女の子は僕の方を見てきた。「あっ血!」
女の子は僕の口にハンカチをあててくれた。「君、大丈夫?」
女の子は真っ直ぐな目で僕の目を見ていた。「あっありがとうございます。」学校のチャイムが鳴りだしたので女の子は慌ててその場を去って行った。
その場に1人残された僕は、女の子の真っ直ぐな目で僕を見る目を思い返していた。あんな真っ直ぐに目を向き合ったのは初めてだ。
僕は今までいじめで馬鹿にされたり偏見な目で見られることがあっても、真っ直ぐな目で僕を見て話す人なんていなかった。
込み上げる感情。こんな僕を気にかけて助けてくれる人がいるなんて嬉しい。
自然と胸が熱くなり、目から涙が溢れた。
ハンカチを見るとイニシャルS・Tと入っている。この子が僕のヒーロー。4人の不良をあっという間に倒した。まさに勇者だ!
ゲームの世界で村人達がモンスターに襲われ、ピンチになった時に現れる主人公達みたいだ。
かっこいい!あんな人がこの学校にいるなんて驚きだ!?
僕はハンカチを返すのと御礼を言いたくて、全クラスを見渡した。あれ、ここにもいない?
イニシャルS・Tの子は1年生じゃないのかな?
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