第一章 出会い

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ボガッ!ドサッ!僕はタカシに殴られ倒れた。ドガッ!僕の胸を蹴っ飛ばした。 一瞬息が止まった!苦しい!僕は身体を丸めて悶えた。タカシはお構いなく何度も蹴っ飛ばしてくる。 駄目だ!もう俺の人生終わりだ。 バチンッ!「いってぇ!」タカシが頭を傘で叩かれた。僕が身体を起こすとイニシャルS・Tの子が傘をタカシに向かって向けていた。 「また!?テメェかっ!」タカシはS・Tの子を睨みつけて、横にいた彼女とこの場を去って行った。「大丈夫?怪我はない?」 S・Tの子は僕の目を見て心配そうな顔をしていた。「ありがとうございます。」 S・Tの子は僕の制服に着いた砂を掘ろってくれた。「君、いじめられてるの?」 僕は言葉に詰まった。S・Tの子の目は真っ直ぐ僕の目を見ていた。僕は目を逸らした。拳も悔しくて握っていた。 だけど…今までいじめられている事を人に知られる恐怖はなかった。僕のことをいじめられていると知った人達は僕を偏見や軽蔑する。 S・Tの子は違う!「僕は……。」言いにくい僕に気をつかい女の子は名乗りだした。 「私の名前は【高島 清(たかしま さや)】学年は2年生だよ。君の名前わ?」 2年生!だからいなかったのか。「僕は、沖田 武士と言います。」高島さんは僕を優しい目で見ていた。不思議と安心感を感じる。 高島さんが急に慌て出した。「あっ!学校に遅刻する!」 高島さんは僕の手を握って、学校に向かって走った。まるで僕がこのまま学校を行かないのを見抜いたのか、だから手を握って学校に連れて行かれたような気がした。 校門に着くと高島さんが口にした。「学校が終わったら、玄関で会わない。」高島さんは真っ直ぐな目で真剣に見ていた。「はい…。」 僕は高島さんと別れて、教室へと向かった。いつもと変わらないクラスの奴ら。僕がきたことに驚いている奴が多い。 僕が学校に来ないと思っていたんだろ。小言を話す女子達。「なんか1組の人達に暴力を振るわれたらしいよ!」 藤田君とその周りも僕を見てきた。一ヶ月前はあいつらと笑って話てたんだよな!?馬鹿馬鹿しく思う!また怒りが込み上げる! だけど、今日をまた助けられS・Tの子の名前も知ることが出来た!そして学校が終わったら高島さんにまた会える。 昼休み教室に僕の名前を怒声で呼んだ。「沖田!」いじめっ子のタカシだ! 僕は呼び出され、田中もついてきた。男子トイレにつくなり胸元を掴み壁に叩きつけてきた。ドンッ!「テメェー!朝の女はなんなんだ!?知り合いか?」 胸元を締め付けてきたので、話すことが出来ない。ガチャッ!トイレのドアが開いた! 「誰やねんワイのウェットタイム邪魔するの!」 身長が低い人が出てきた。「なんだこいつ小ちゃいなぁ!」田中が口にした瞬間、身長の低い人が田中に飛びついた! グイッ!身長が低い人は田中の顎に手のひらを当てた瞬間に首が捻るように思い切り押した。田中は倒れた。「なんやねん!口程にもないアホ!」 タカシが僕の胸元を離して、身長が低い人に向かって行った。「テメェー何してくれてんだ!」 拳をタカシは身長が低い人に振るったが軽く交わし、タカシの顎元に手のひらを当てて首を捻る!タカシは体制を崩し倒れた。 他の不良達は逃げて行った。身長の低い人は僕に気づかづそのままトイレから去って行った。 助かった!今日はついてる!僕はタカシと田中が倒れてるのを見て少し気持ちが晴れた。 その日、何もされずに学校が終わった。高島さんとの約束した玄関へ向かった。
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