日常小話

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日常小話

 前回ちょっと暗い話になってしまったので、今回は自衛隊に入って面白かったこと、楽しかった出来事などをいくつか。  また台詞形式です。   同→同期 上→上官 先→先輩 私→木下(偽名) 学→今通ってる学校の同級生  ・方言  自衛隊には全国各地から隊員がやってくるので、いろんな地域出身の友人が出来る。  もちろん、同じ班内でも北は北海道から、南は沖縄まで、大体の地域の出身者が集まっていた。  東京出身の私は、方言にとても憧れているので、皆に聞いて回っていた。  私「ねえねえ、そう言えば○○って青森出身だったよね」  同「そだよー」  私「青森弁で喋ってみてよ」  同「wrjfrkjbvkjwdvkwkjfhmhwhwjskjcb」  私「ちょ――ごめん、やっぱ何言ってるか全くわからんwwwwww」  同「『どうせ何言ってるかわかんないよ、そういえば今日のお昼なんだろね』って言った」  教育隊の班にも術校での班にも、青森出身の女の子がいた。  二人とも標準語喋っててもやっぱりちょっとなまってて、個人的には可愛くて好きなのだが、本人たちは標準語で喋っている時になまっている自覚がなくて、さらに面白かった。  ちなみに、術校で秋田出身が二人いて、二人で秋田弁で喋っているのを聞いたが、もはや外国語レベルで何言ってるかわからなかった。いや、ほんとに。ちょっとだけ方言教えてもらったけど、早口言葉なんじゃないかと思うレベルで、全く習得できなかった……。  ・バンドエイド? カットバン?  私「誰かバンドエイド持ってないー? 指切っちゃって……」  北海道出身「ん? …………あ、サビオのこと?」  私「え? 何だって?」  青森出身「カットバンのことだよね」  私「え、いや、だからバンドエイド……」  佐賀出身「みんな何のこと言ってんの。リバテープのことでしょ」  長野出身「絆創膏でしょ?」  北海道「地域で呼び名全然違うんだね」  佐賀「サビオってすごい名前だね。聞いた事ないわ」  青森「リバテープだって初めて聞いたよ。やっぱカットバンでしょ、カットバン」  佐賀「いやリバテープだよ」  長野「みんな何言ってんの。絆創膏は絆創膏だよ。他は全部商品名だよ」  北海道「え、そうなの!?」  青森「でも絆創膏だなんて、なんかダサくない?」  長野「いやカットバンに言われたくないわ」  佐賀「リバテープ」  私「何でもいいから誰かそれ恵んでくれ~!」    ・ある程度可愛い女子はモテる(術校にて)    私「お。お洒落しちゃって、またデートかい?」  同「デートっていうか、まあ、お出かけ?」  私「この前一緒に出掛けてた人?」  同「いや、違う人」  私「へえ~」(何人目だっけこれ……大丈夫かなこの子……)  同「木下ちゃんは誰かとデートしないの? この前誘われてるの見たよ。絶対モテるでしょ」  私「いや、私そういうのはちょっと」  同「あ、彼氏いるんだっけ?」  私「いやいないけど。同じ課程にいる男子にそもそも全く興味ないっていうか……」  同「あ~、なるほどね……わかる気がする」  私「ていうか、この前告白されたって言ってなかったっけ?」  同「ああ、あれね。別に私はそんなつもり一切なかったから断ったよ。タイプじゃないし」  私(そんなつもりなかったのに二人きりでデートしたのか……恐ぇ)  同期に、自衛隊にしてはめちゃくちゃ可愛い顔した女子がいた。  まあ、モテるモテる。  男子に媚を売るようなタイプではないし、どちらかというとサバサバしてるかっこいい系の女の子だったけど、寄ってくる同期の男の子で結構遊んでいた。  さすがにそこまでモテモテになるのはかなり可愛い子だけだが、経験則で言えば、自衛隊女子は彼氏には恐らく困らないだろうと思われる。  かくいう私も今までの人生で一番モテていたような気がするが、正直言ってあまりいい思い出ではない。  うむ……苦い思い出しかない。正直思い出したくもない話だ。まあ、それはまた機会があれば別の時にお話しよう。  退職してから出来た自衛隊ファンの女友達に、同期の男性自衛官を紹介して欲しいと何度かねだられたが、私は絶対に紹介しない。その子の為にも←  一般の人で自衛官と結婚したいなら、自衛官の婚活パーティーとかに行った方がいい。外でたまたま出会ってナンパしてくるような輩は、人にもよるけど十中八九ろくでもないから(経験則)。  自衛官なんて、制服着てるだけで3割増しでかっこよく見えるよ……私服姿みて「あれ?」ってなるパターン結構あるからな(経験則)……。  ・ジューじゃん、アイじゃん  上「うっし、アイじゃんやるぞ~」  先「え、そこは潔く奢りましょうよ○○2曹。なあ木下?」  私「そうですね。私が負けたら悲劇でしかないですからね。金欠なんで」  上「上官命令だ。いいからやるぞ! じゃーんけーん」  「「「ぽんっ」」」 上→パー 先→パー 私→グー    先「木下wwwどんま―― 私「のわああああああぁぁぁぁぁぁおhどうdhwhdkhwdkjcwlkdcgl」←一人負け  これやってるの自衛隊だけじゃないとは思うが、ジュースじゃんけんをジューじゃん、アイスじゃんけんアイじゃんと呼んでいる。  負けた人が全員分奢ったり、漢気じゃんけんで買った人が全員分奢ったり。悲劇なのは、同じ部隊の人全員分のジュースやアイスがかかったじゃんけんだ。  私はこの悲劇に一度だけ遭遇した。  しかもアイス。  ハーゲンダッツを所望してきた不届き者が数名いたため結構な金額になった。いじめか。新人いびりか。泣くぞ←  ちなみにその時は、もの凄く優しい上官が一人いて、お情けでハーゲンダッツ2つ奢ってくれた。惚れてまうやろ。  私「皆さん何アイスが良いですか。ガリガリ君大歓迎です。むしろガリガリ君にして欲しいです。ていうか全員ガリガリ君でいいですよね! ガリガリ君大好きですよね!」  先「俺、知覚過敏だからガリガリ君はちょっとしんどいなぁ」  私「じゃあアイス食べないでください」  先「え」  上「往生際が悪いぞ木下~」  ・一般人から見た自衛官のイメージ  教育隊時代。外出時は制服着用義務があったので、制服を着てイオンのフードコートへ。皆でパフェを食べようということになり、列に並んでいた時。    後ろのお兄さん「自衛官ってパフェ食べるんだ……」ボソッ  私「」  自衛官を何だと思ってるんだろうか。自衛官である前に年頃の女の子だわ。パフェ大好きです。クレープも好きです。パンケーキ食べたい。  ・シャバには不要な無駄スキル  私、映画やアニメの軍隊物が好きなので、射撃訓練にはめちゃくちゃテンション上がって、超集中して教官の話を聞いていた。  シャバ(一般社会)じゃ何の役にも立たないけど、好きこそものの上手なれとはよく言ったもので、私は射撃が得意だった。  教育隊での実弾射撃は一応点数化されるのだが、50点満点中45点取るくらいには上手い方だった。しかしこれは、脚ありの時の点数なので、実際に部隊でやる脚なしでは点数が落ちてしまったが。  退職した今は、お金に余裕が出来たらクレー射撃を趣味で始めようかと画策中。  そんなわけで、習い事で射撃をしない限りシャバ(一般社会)では大して役に立たないスキルなのだが、役に立つところを発見。    ディズニーランドのウエスタンランドに、シューティングギャラリーという射撃(射的?)ができる場所がある。これは射撃というより、コツを掴めば誰でも当たるようになるので、一般の人でも普通に上手な人は沢山いる。  私は初見からこの射撃で、一度も10点満点以外とったことがない(ドヤッ  何の自慢にもならないけどね! 10点満点とってもバッジもらえるだけだからね。  ・ちょっと楽しい警備訓練  『射撃と運動』という訓練科目で、土嚢を積んで壁を作る訓練があった。そこでの警備訓練の一幕。  2つの班合同でやり、1つは歩哨(武装して見張ってる人みたいな)役、1つは襲撃やデモを起こすゲリラ役をやった。  このゲリラ役、基本は何してもいいので、結構楽しい。  ゲリラ役の班員の中で、半々に分かれてデモ行進しながら叫んだり、その辺の木の棒を拾って来て投げつけたり、匍匐前進して近づいたり、銃を撃つ真似をしたり、ゴリラになったりと、様々な襲撃を考えるのが楽しかった。  その都度、報告しなければならない歩哨役の隊員たち。  「10時の方向、不審者二名が匍匐前進で接近中。銃を所持しています。あっ、12時の方向――ご、ゴリラ? が接近中! たぶん威嚇してます!」  これは本当に体験的な訓練なので、実際にガチの警備訓練をやるのは部隊に行ってから。  ちなみに、教育隊終盤に行われる、この後の本当の『射撃と運動』は、毎日全身あざだらけになって生傷絶えなくなるので笑えない。    ・気になる一般人の「エセ」  ①敬礼  これも、ディズニーランドでの出来事。  スペースマウンテンがあるエリアで、トイストーリーに出てくる緑のアーミー(?)の着ぐるみがやってきた。おお! せっかくだしアーミーと撮ろう! と思って並んでいると、お客さんたちの中に、そのアーミーに敬礼をしてもらって写真を撮っている人が。  私(アーミー……敬礼がなってない! 手のひら見せちゃ駄目だろ! 肘の角度が全然よくない……! 敬礼してない方の手はしっかり体側につけろおおぉぉぉおぉぉ!)  いや、着ぐるみに何を求めてるんだっていうね。  あとなんか、女子たちが写真撮るときたまに敬礼とかしてるの見るけど、あれもすごい気になるよね。いや気にすることじゃないんだけどね、はい。  ②迷彩  通りすがりの一般人が迷彩着てると気になる。  あ、あれは正式な迷彩じゃないな……みたいな。普段から作業服で毎日迷彩着てるから、私服じゃ絶対迷彩着ないけど、一般人が着てるとやっぱり目に入る。  休日に外で迷彩見かけると仕事を思い出して気分が沈む。私だけかしら。  ③自衛隊に入ったこともないクセに知ったかぶる同級生  今私が通っている学校に、私の近くでやたら自衛隊という単語を出してくる18歳の男子がいる。正直うっとおしい。私は敢えて会話には入らない。  が、この前鼻で笑いたくなった台詞がこちら。  学「遅刻1分につきレポート1枚とか……1分遅刻で腕立て1回の自衛隊かよ!」  私(何言ってんだコイツ)  自衛隊なら、少なくとも私の時は、1秒遅刻につき腕立て1回。1分遅刻で腕立て1回とかどこの軍隊でも生温すぎだろ……って心の中で凄い叫んでたけど、面倒くさいので聞いてないフリしてスルー。    ――とまあ、こんな感じで面白いことが結構ある。後半はちょっと話が逸れてしまったが。  他にも数えればいろいろあるのだが、今回はこの辺にしておこう。  最近更新がまちまちで申し訳ない……m( _ _;)m
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