戦国へ

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「じいちゃん、人を呼んでおいてなんで家の中に居ないんだよ。」 「すまん、すまん。 お前に渡さないとならないものがあってな。 それを蔵から出そうとしてたんだ。」 と一つの包みを持って蔵から出る宗信。 上座に座る宗信。 「孝信、これは代々嫡子が受け継いできた家宝の刀だ。 かの信長公から拝謁した由緒正しい刀。 本来であれば宗晴が受け継ぐはずだった物だ。」 宗晴とは、孝信の父で昨年不慮の事故でこの世を去っていた。 「でなんで今なの?」 孝信は、不思議でしかなかった。 「儂もいい歳だ。  いつなにがあるかわからん。 元気なうちに次期当主に引き継がなければならない。」 と刀を孝信に差し出した。
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