戦国へ

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刀を手に取ると突然意識が遠のいた。 宗信は小さく呟いた。 「大きくなって帰って来い。」 真っ白な空間に浮かんでいた。 「なんだここ?」 『山根家を継ぎし者よ、継承の儀の為に戦国の世へと来てもらう。』 目の前に凛々しい武士が立っていた。 「だれ? そんな事いきなり言われてもさ、困るんだけど。」 『儂か? うぬの先祖にあたる山根久貴である。 前任者の宗信は、飲み込みが早かったのだがな…』 「えっ…じいちゃんが… ご先祖様… で何をすればいいのですか?」 『儂の嫡男として吉法師様に仕え、この山根家を存続させるのが役目じゃ。 うぬが戦国の世に転生する時、儂はすでにこの世にはおらぬ。 さてうぬは、何を望む?』 「何をって急に言われても… そうだ、軍資金と忍が欲しい!」 『うぬの母方の祖父は元忍で商家だ。 他に望む物はないのか?』 「資金があればなんとかなる!」 『そうか、では心して吉法師様を守るのだぞ。』 と言うと目の前が明るくなってきた。
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