桶狭間

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時は、永禄3年5月12日の事である。 今川義元が駿河を発ち尾張を目指して進軍を開始したのである。 「殿、大変でございます。 今川が侵攻をはじめましてございます。」 その報に来たかと覚悟を決める信久である。 「わかった… 晴、清洲へと参る支度してくれ。」 「はい。」 信久は急いで清洲へと向かった。 清洲では軍議が始められようとしていた。 「お館様、今川義元が駿河を発ったとの事。 如何なされるおつもりですか。」 林秀貞が発言をした。 「うむ、皆はどう考えておるのじゃ。」 皆口々に籠城だの野戦だの言うがこれといった案は出ないでいた。 何日も続きまとまらなかった。 19日に義元は、大高城へ兵糧を運ばせる為に松平元康を先行させ、朝比奈泰朝に織田家が支配する丸根・鷲津両砦へと攻撃を開始させるのである。
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