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織田軍の勢いはとどまる事はなく追撃を加えた。
今川方は続々討ち取られていった。
義元は、輿から降りると刀で織田方の兵に斬りかかりながら撤退をしていた。
「くっ、何故じゃ。
このような事があってたまるか。」
順調にきいていた上洛への道…
まさか小国と侮っていた織田にここまで追い詰められようとは思ってもみなかった義元。
「今川義元殿とお見受け致す。
織田信長が家臣、服部小平太にござる。
首級頂戴。」
一人の兵が義元の前に立ちはだかったのである。
服部小平太が槍を繰り出した。
義元は、なんとか斬りつけ攻撃をかわせた。
「ふん、貴様のような雑兵にくれてやるほど、儂の首は安くないわ。」
そこへ毛利新介の槍が義元を捉えたのだ。
「くっ…このような所で夢果てるなどあってはならん。」
と歯を食いしばりながら、槍を斬りなんとか体勢を立て直そうとしたが多勢に無勢であった。
とうとう義元は力尽き討ち取られたのである。
「今川義元討ち取ったりー」
と声が響き渡ったのである。
義元討死の報を聞き信久は急ぎ戦場を離れた。
義元の死の報を今川方に伝わらぬように市助に命じた。
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