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空港
空港で人の目も気にせず、ケニーは泣いた。
アンディは困ったように言う。
「2年なんてすぐだよ。俺たちには10年の絆があるだろ?」
「……そうだけど」
「ちゃんと話し合っただろ?それなら何をまだ心配してるの?」
「俺は納得してるし、アンディの夢も応援してるよ?」
盛大にケニーは、鼻をすする。
「わかった。じゃぁ、何?」
「寂しいんだよ!アンディは出て行くからいいけど、
残される俺は…」
「そうだな。頑張れよ」
「頑張るよ!ってか、頑張るしかないんだもん」
そう言いつつも、ケニーは泣き続ける。
「仕方ないな」
ふっと優しく笑ったアンディは、ケニーを抱きしめる。
周囲から「きゃっ」と喜びの声が聞こえる。
アメリカ行きの飛行機のアナウンスが流れる。
「もう行って」
ケニーはアンディの腕の中から出た。
「行ってらっしゃい」
「うん。行って来る。ラインするよ」
アンディは手を振り、消えていった。
途端にケニーは崩れ落ちた。
「大丈夫ですか?」
「あぁ?ありがと。大丈夫だよ」
ケニーはめいいっぱい、意地をはった。
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