12人が本棚に入れています
本棚に追加
社長室
アンナがノックをし、自室の社長・応接室に入る。
「お待たせしてしまって、すいません」
すぐにケニーの両親は立ち上がった。
「本当にあの子なんですか?」
「連絡が遅くなり、申し訳ありませんでした」
アンナは頭を下げる。
「とんでもありません。あなたがいらっしゃらなければ、
あの子はどうなっていたか…。感謝しかありません」
アンナは微笑み、両親に座るよう促した。
「少しお話しておかないといけないことがあります」
アンナの言葉にケニーの母親の顔に緊張が走る。
「あの子の身に何か?」
「…あの、彼は記憶喪失になっていまして、ここからは
私の推測に過ぎなのですが、たぶん芸能生活全般の
記憶がありません」
「その…」
父親が恐る恐るアンナに質問する。
「申し訳ありません。身元を調べる必要がありました
もので、勝手でしたが」
「いえ。それは…」
母親は記憶喪失の方が心配らしい。
「やっぱり追いつめられていたんですね…」
母親は俯く。
最初のコメントを投稿しよう!