社長室

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社長室

アンナがノックをし、自室の社長・応接室に入る。 「お待たせしてしまって、すいません」 すぐにケニーの両親は立ち上がった。 「本当にあの子なんですか?」 「連絡が遅くなり、申し訳ありませんでした」 アンナは頭を下げる。 「とんでもありません。あなたがいらっしゃらなければ、  あの子はどうなっていたか…。感謝しかありません」 アンナは微笑み、両親に座るよう促した。 「少しお話しておかないといけないことがあります」 アンナの言葉にケニーの母親の顔に緊張が走る。 「あの子の身に何か?」 「…あの、彼は記憶喪失になっていまして、ここからは  私の推測に過ぎなのですが、たぶん芸能生活全般の  記憶がありません」 「その…」 父親が恐る恐るアンナに質問する。 「申し訳ありません。身元を調べる必要がありました  もので、勝手でしたが」 「いえ。それは…」 母親は記憶喪失の方が心配らしい。 「やっぱり追いつめられていたんですね…」 母親は俯く。
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