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実は以前の部屋からは引っ越した。
2人の思い出が詰まり過ぎた部屋に1人でいるのは、つらい。
これはアンディには内緒だけど。
他愛のない話をしていると、あっと言う間に時間は過ぎ去る。
家のベルが鳴る。
鍵の開く音がする。
「アンディ、ごめん。仕事に行かないと」
「体に気を付けろよ」
「アンディも、勉強し過ぎないでね」
「おぉ」
「ケニー、おはよ。ついでにアンディもおはよ。
お邪魔虫で悪いけど、ケニーそろそろ、準備して」
「ついでかよ」
アンディのむくれた声に、ケニーはケタケタ笑う。
振り向けば、マネジャーのムックが立っている。
ムックは明るい。だから助かってる。
「わかった。じゃーね」
ケニーはアンディにばいばいと手を振り、テレビ電話を切る。
「ほら!急いで」
時計を見ると、結構やばい時間になっていた。
「事故るわけにはいかないんだから。でも、いい顔になった
わね。お陰で今日も美人」
「そうかな?」
ふふっとケニーは笑った。
そこからバタバタとケニーは、準備にとりかかった。
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