12人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
「ケニー。今度こそ、俺と結婚してください」
ケニーは混乱していた。
そういえば、テレビカメラも入っていた。
イベントだからと気にも留めていなかったことを
思い出す。
「断らないでくれよ」
情けない声でアンディが言う。
「分かっていたんですね。僕があなたに恥をかかせられない
ことを。カメラも入っているのに…」
アンディはにやりと笑う。
「そう。断れない状況にしたんだ」
観客たちからは「返事はぁ?」コールが、出始めた。
ケニーは、頷いた。
「…はい、よろしくお願いします」
そう。本当はケニーだって、とっくにわかっていたことだ。
ランウェイの下には、ケニーの両親も揃っていた。
両親が涙を流していることにケニーは安心し、
ビッグスマイルを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!