僕のきもち。

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それがどうしてこうなってしまったんだろう。 「私は本当の恋を知ってしまいましたっ。セナ様申し訳ございませんが、貴方とは結婚出来ません!」 学院の卒業生を送るパーティで、ミラ様が突如そう言った。 なぜこんなところで、とか隣の男は誰だとか、既に終わりかけてる式の準備はどうするんだとか言うべきことはいっぱいあったかも知れない。でも、私が思ったのは本当の恋を知ったら、他の人と結婚出来ないのか。恋は今まで習った常識やマナーを全て捨てて、こんなことをさせる勇気を持たせるのか。とズレたことを考えていた。 それくらい、私は恋に飢えていたのかも知れない。恋がしたい。恋ってなに?疑問は深まるばかりだ。 「何事だ。」 来賓として現れたのは、国王様と宰相である父上だった。 そこでミラ様が国王様に私に言ったのと同じように国王様に言えば、国王様は眉間に皺を寄せ、考え事をしているようだった。その間父上は顔は無表情だったが、私には怒っていることがよく分かった。 父上が国王様に進言し、別室に移って話すことになった。 行く途中父上にボソッと言われた「お前は一体何をしていたんだ。無能が。」という言葉が頭から離れなかった。 恐らく話の途中は、何事も無かったようにとりつくろえてたはずだ、とう言うかそういうふうに癖ついてる。でも頭は何も考えられなかった。私が悪いのだろうか。いくら恋をしていなくても婚約者として、しっかりするべきことは行っていた。最初に放棄したのは全てミラ様なのに。手紙の返事が遅くなったり。お茶会を断ったり。婚約者の目の前で他の男と腕を組んだり。 注意だってしたが、友人の一言で終わった。
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