僕のしたいこと。

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僕のしたいこと。

結局、婚約破棄はなされた。しかし、ミラ様達の婚約には問題があった。 相手の男性側の爵位が低い事だ。男性、クリルは、子爵家の息子だった。流石に姫を子爵に嫁入りさせるには、家格が足りなすぎる。かと言って王子がいるので、王家に婿入りも出来ない、そこで父上が提案したのは、このままでは姫は浮気をした上、婚約者を捨てた酷い女となってしまう。 だから、実は私が最初に浮気したことにして、それを慰めたのがクリル子爵子息で二人は恋に落ちたと。そして王族を裏切った罰で、私は勘当され、クリル子爵子息を公爵家の養子として迎え入れるらしい。 結局私じゃなくても良かったのだろう。王家と縁を繋ぎたかっただけなのだろう。私はただの道具だった。そして使えなくなったから捨てられた。そういう事なのだろう。 まあ、結果的に言えば、婚約破棄されて、勘当され、国を追い出された。 国の内部に居て、真実をバラされるのは計画の妨げとなる。だが、殺すには可哀想と変な同情するくらいなら、他に手を打てば良かったのに。別に愛人として囲えば良かったのに。同情せず殺せば良かったのに。 最後の温情として、国から遠く離れた島国まで送って貰うことになった。温情というより、近くの国に行かれて報復されるのを恐れたのだろう。それならすぐには帰って来れない遠くの国へ送ろうという魂胆だろう。 別に報復も何も、恨みはないのに。恨みどころか、今の私は何もない。悲しみも後悔も、恨みも、僻みも。きっとどうでも良かったんだろう。 ああ、でも私もこれで恋が出来るようになるのかな。 そう思うと、少しこれからが楽しみになってきた気がする。
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