僕はウェラ国民。

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僕はウェラ国民。

朝、お腹の空腹感で目が覚めた。 「あ、あのまま寝ちゃったか。」 ご飯はどうしようか。とりあえず身を整え宿の受付へ行けば、女将さんがいたので、おすすめの店を聞いた。ついでにもう一泊追加しておいた。 おすすめされたのはこの時期が旬の魚を使った料理を振る舞うお店だった。場所はそう遠くなく、歩いて10分ほどで着いた。 人もそうおらず、すぐに席に案内されおすすめを頼んだ。出てきたのは、魚の塩焼きと味噌汁と白米、他にも漬物などがあった。この味噌汁や白米もこの国独自のものらしく、特に味噌というのは変わった味だったが、昨日のカツ丼とはどこか違うが懐かしさや優しさを感じる味だった。 腹を満たした後は、反対の東区にある市役所へ行き、住民票を発行してもらった。少々手続きに時間を食ったがそんなものだろう。そのあとは中央の市場へ行き、服や必需品を買い足し、北区の国営冒険者ギルドへ向かった。 昨日も歩きながら思ったがこの国はそう大きくはない。馬車を使えば端から端まで行くのにそうかからないだろう。そして、道路が大変綺麗だ。道路の舗装はどこの国も力を入れているが、これほど綺麗な道は見たことがない。何より歩く人と、馬車で明確に通る場所が決められてるのが珍しい。 なんでも舗装に使われているのはレンガという赤茶色の石のようなものだが、それ自体では耐久力が弱いので、魔法を使い補強してるそうだ。赤茶色の道がどこか味があって、歩いているだけなのに楽しい気分になってくる。 だから、少し注意力が落ちていたのだろう。 市場から出て、北区へ向かおうとした時、急に曲がった僕は後ろから来た人にぶつかってしまった。 「っ、・・・!」 ぶつかった相手はマントを羽織、フードも深く被っていてよく見えなかった。そして謝罪の言葉も出ないまま相手は去っていった。 少し気になりはするが、とりあえずギルドへ行こう。
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