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上級生の話。
今年の一年生にとんでもない子がいる。
どこから見ても平凡そのものなのに、くっきりした二重とぷっくりした唇が特徴のスラッとした子。
友だちと話してる時ですら色気があって、クセなのか考え事をする時にあのぷっくりとした唇の隙間からピンク色の舌の先がちょっとだけ見える。
多分普通だったら「キモっ」の一言で終わるヤツ。
でもあの子の場合はものすごく色っぽくて、まるでキスしてって言ってるようで。
入学二日目には協定が結ばれたほど。
同じクラスの子たちには協定なんて無いも同然で、そのスキンシップの多さからすぐに破棄されたけど。
そして、時が経つほどあの子の可愛らしさも見えてくる。
甘え上手でちょっと舌っ足らずな話し方。
あの二重の眼での上目遣い。
ピタッとくっついてくる、距離感。
守ってやらなきゃと思う反面、めちゃくちゃにしてみたいと思わせる雰囲気。
あの子は今、学校中のそっち系の男から狙われている。
もちろんオレも含めて。
今年度は何事も無く?春休みを迎えたけど、新学期から大丈夫かな。
やっぱり守ってあげないと、って気になる。
春休みが明けたら、再度協定を結ばないとね。
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