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   デュポイズ駅に着くと、風化した枕木がいくつも転がっていた。太陽に焼かれた岩肌は、どれも手頃に低めだった。岩山はぞろ目のように並び、陽炎をゆらしている。  ひと気の無い駅にはられた半透明のひさしは、コルク色の影をプラットフォームに落とし、柱にかけられた銀盤の時計は止まっていた。  ビリーは、白目をマーブル石のように光らせながら、いつもそこで日向ぼっこをしている男を探した。  
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