あとがき

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あとがき

 はじめまして&いつもありがとうございます、作者の尾月かなたです。『ジュブナイル代理戦争』、完結しました…!!!ここまで読んでくださり、本当に、ほんっとうにありがとうございます!!!  本作は構想がずっと前からあって、あーでもないこーでもないと考えながらやっと書き出したもののやはり難しく、苦労の連続でした。実はこここうしたかったな、とか結構あって、自分の筆力不足を痛感しました。いつかリライトするかもしれません…。新作セレクションに選んで頂いた時にはそれが報われたような気がしたものの、編集部ではなく読者の方に本当に楽しんでもらえているだろうかと常に自問しておりました。そんな中、ペコメをくださった皆様、最後まで読んでくださった皆様には、感謝しかありません。本当にありがとうございます。  ほんのちょっとだけ解説をしますと、今回のコンセプトには色々とモデルがあります。  まず、コンレイたちの住む国、『ジョバル』。これはマレーシアで開発の進む実在の都市ジョホールバルからとりました。同都市では2025年までに再開発が進む予定で、これに港湾の再開発も含まれています。この計画は『イスカンダル計画』と呼ばれ(SF感ありますね?笑)、実際に日本企業もめちゃくちゃ投資しているそうです。そして『サワン港湾』は、そのジョホールバルに隣接するシンガポールの港湾をモデルにしています。世界最大級の港湾です。ハイテクです。とはいえ特定の国と戦争する話になっちゃうとあれなので架空の国にしました。  もともと作者、コンテナとか港湾とか物流倉庫街がすごく好きであります。コンテナ船からの積み下ろしとか一日中見てられる(笑)。最初は、「コンテナヤードで少年たちがドンパチやる作品書きたいな〜」と軽く考えただけだったのですが、最終的に『ジュブナイル(少年少女)同士の代理戦争』→『ジュブナイルと大人の代理戦争』に変わっていくというコンセプトに仕上がりました。  さて、これ以上の解説は野暮ですね。ごめんなさい。  せっかくなのでオススメのSF作品を紹介して終わりたいと思います。少しでもSFに興味を持ってくださった方がいらしたら、これ以上無い幸せです。それでは、また別の作品にて!! ★★オススメSF作品★★ ①『ルナゲートの彼方』(ロバート・A・ハインライン、1989年) →あれ、ルナ…月…彼方…かなた…。はい、この本好き過ぎてPNにさせて頂きました。SF版15少年漂流記と言われています。無人の恒星で訓練をしていた少年たちが帰れなくなってしまい…!?というお話です。名著です。 ②『エンダーのゲーム』(オースン・スコット・カード、1985年) →宇宙大戦!エイリアン!少年兵!時間トリック!全て盛り込まれたザ・SFです。とても読みやすくて、ワクワクするしリアリティもある。映画化もされましたが、原作小説をオススメします。読んだ後にスカッとする、冒険小説です。 ③『死者の代弁者』(オースン・スコット・カード、1985年) →②のシリーズ物ですがテーマが全く異なります。②を少年エンダーの活躍譚とするなら、③は、異種の文化的生物がいかにして共存していくか?という一歩大人な内容になっています。淡々と泣けます。この中に、ジェーンという人工知能が電源を切られて怒るシーンがあります。今回のジェイクはそのオマージュでした。 ④『パラレル同窓会』(藤子・F・不二雄、1995年) →言わずと知れた巨匠の短編作品で、同タイトルの短編集に収録されています。「人生の岐路で別れたたくさんのパラレルワールドにいる自分が集まる同窓会」って、発想力が恐ろしい!!くすっと笑えるけど、どこか背筋がゾクっとする、独特の世界観に浸れます。 ⑤『マクロスフロンティア』←おい(笑) →超有名アニメですね(笑)。マクロスシリーズではフロンティアが一番有名になったような気がします。世の中のSFのイメージって、むしろこういうのなのかな?って思いますが、ちゃんとSFの王道をおさえつつきちんと人のドラマもある。音楽も素晴らしい(菅野よう子ですから……)というのがすごいなと思います。 どれにしても、SF(サイエンスフィクション)という舞台装置を使いながら、きちんと人間を掘り下げる作品が好きです。本作品がそうなれたかはわかりませんが、皆様の心に何か残せていたら嬉しいです。 皆様の応援のおかげで、この作品を書ききれて幸せでした。 ありがとうございました。
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