友人からの手紙

1/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 1月2日の朝、外を見ると、太陽を反射した雪は眩しく、真夏の砂浜を連想させた。  オーブンから焼いた餅を取り出し、買っておいたきな粉をかけた。食べるにも健康診断に引っかかってしまい、糖質を気にしなければならない。 「ええっと、今かけていい量は…。」 手についている腕時計のような《カウンター》を見る。これは国民が付ける義務があり、寿命がわかってしまうものだ。予想外のこともあるため、定期的に健康診断がある。  少しだけきな粉がかかった餅を食べ、外に出る。  郵便受けの前で僕はため息をついてしまう。年賀状が貰えるような友人などいないのに、こうして毎年意味もなく確認してしまう。そしてまた同じようにため息を吐く。それが新年早々やることだった。  しかし、今年は小さな茶封筒が入っていた。  少々複雑な気持ちでそのまま家の中に入った。  
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!