三途の川のレストラン

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三途の川のレストラン

「いや、ちょっと冗談言わないでくださいよ」 「あんた覚えてないんだね」 奥にいた男が水を置いた 「あんたは死んだんだよ。背中を見てみろ」 そう言われて振り返ると背中は血だらけだった。その血だらけの背中を見てだんだん思い出してきた。俺は刺されたんだ。そうだ夜公園を歩いていて女の人の叫び声が聞こえて、、、強姦されてたのを助けて、、、刺されたんだ 「マジかーあの時かー」 「意外とすんなり受け入れるんだな。自分が死んだって事」 「いやーまぁなんとなく。それでここって三途の川なんですよね、何すればいいんですか」 あっさりこの状況を受け入れてる様子を見て店主も面食らっているみたいだった 「ここは三途の川のレストラン、その名を''三途の川''だ」 三途の川のレストランだから名前も''三途の川''なんとも安易な名前だ命名者のセンスを疑う 「俺が考えたいい名前だろ」 ちょっと抜けてる人なのか、一瞬でこの人の性格が分かった気がした。 「三途の川ってのはあの世とこの世の境目だ。そしてお前は死んだ。つまり ここは死んだ奴が最後に食える飯を提供する場所だ。なんでも作れる。さあ食べたい物を言え」 死んだ人が最後に食べたいものを食べさせてくれる所か。ただそれを聞いてふと思った 「三途の川ってあの世との境目なんですよね、じゃあもしかして戻れたりとかもできるんじゃないですか」 「お前察しがいいな。確かにここで飯を食わずにある事をクリアすれば現世に戻れる」 「ある事って」 「俺に料理を作ってうまいと言わせる事だ」 22歳大学生、実家暮らし、料理なんてした事ない俺にとってそれは無理難題だった。 「ちょっと待ってください。料理なんて」 「じゃあ早く食いたいものを言え。そして地獄なり天国にいけ」 なんだかそのぶっきらぼうな言い方にカチンときた 「あぁやってやろうじゃねーか!こっちは死んでんだ、怖いものなんてねーんだよ」 ドスンドスンと足音を立てて料理場へと足を踏み入れた
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