48人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
うっかり死んでしまっては元も子もないのだ。
しかし精神障害があるから一緒に暮らせない、とは実にママには言い難い。
ママは娘を溺愛している。
ママは娘の事を理解していると思っている。
100%とは言わなくても、世界で一番自分が娘の事を理解していると思っているし、自分の考えと娘の考えは常に同じだと思っている。
ただ、これ、ママだけが悪いという話ではないのだ。
私がね、ママがそう思うように、
何でも「うんうん」と聞いてしまうせいでもあるのだ。
親父は、世界中の人の中で、ママにだけ冷たい。
兄も、割とママには冷たい。
育ててもらった恩を感じていないはずはないのだが、気がたっている時一番冷たくされるのがママなのである。
なので私だけはママにそうならないよう気をつけていたら、いつの間にか、私はママの愚痴を聞く担当になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!