49人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
はじまりのはじまり
あれはいつだったかな。
母の抗がん剤治療が終わって落ち着いた頃。
「エナちゃん。私家の土地半分売ってエナちゃん用に小さなおウチ建てようかな・・・」
と、言い出した。
おいおい・・・まてまて・・・???
家ってそんな簡単に建てていいものなのか?
それに私はまだ東京で生活してるし・・・。
ってか親父どうすんのよ???
「家の方を売って、私の居酒屋は残して、裏に小さい家を建てようかと思って。親父とエナの部屋は離して遠くにして玄関も二つ作ろう!お互い会わなくてもいいように!」
うん・・・私は親父が苦手だからね。
分かってくれてるのはありがたいが・・・。
私は実家に帰るのか??
と、誰にともなく問いかけてしまう。
帰りたくないのに帰らなければならないだろうか?
いつかそんな日が来てしまうのだろうか・・・。
とか、考えてた時ってまだ平和だったんだよね。実際。
最初のコメントを投稿しよう!