はじまりのはじまり

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はじまりのはじまり

あれはいつだったかな。 母の抗がん剤治療が終わって落ち着いた頃。 「エナちゃん。私家の土地半分売ってエナちゃん用に小さなおウチ建てようかな・・・」 と、言い出した。 おいおい・・・まてまて・・・??? 家ってそんな簡単に建てていいものなのか? それに私はまだ東京で生活してるし・・・。 ってか親父どうすんのよ??? 「家の方を売って、私の居酒屋は残して、裏に小さい家を建てようかと思って。親父とエナの部屋は離して遠くにして玄関も二つ作ろう!お互い会わなくてもいいように!」 うん・・・私は親父が苦手だからね。 分かってくれてるのはありがたいが・・・。 私は実家に帰るのか?? と、誰にともなく問いかけてしまう。 帰りたくないのに帰らなければならないだろうか? いつかそんな日が来てしまうのだろうか・・・。 とか、考えてた時ってまだ平和だったんだよね。実際。
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