453人が本棚に入れています
本棚に追加
/351ページ
「それにしても近々面談とかあるみたいだ。それこそ千景、少しは考えていた方がいい。お前は成績に関しては歴代でも一位らしいからな。注目の的なんだよ。」
うーん。でもさぁ大ちゃん、すごく迷惑な話だぞ。勝手に注目されても…。
まぁ天音と出会って、勉強するようにはなったし、成績が上がるのはよかったけどさ。
「大ちゃんたちは決めてるわけ?」
「俺は決めてる。大学から声、かけてもらっているしな。野球の強いところいく。」
そりゃあそうか。
大ちゃんは、高校もスポーツ推薦できたし。
そうでないと、大ちゃんの成績だとこの高校いけない。
「杏たちは?決めてるわけ?」
「私は…そうね。偏差値にあったところを考えてる。妹や弟もいるし、家から通えるところかしらね。ここだってそれが理由で選んだからね。」
なるほど。
杏の両親は共働きで、弟もまだ小さい。
一番近い妹の美海もまだ中一だ。
さすがに離れるのは心配だろうな。
「私は…医学部に行きたい…。」
「「え、鈴が?」」
「瑞木ちゃん!杏ちゃん!ひどい!」
いやぁだって。
鈴だよ?言いたい訳じゃないけれども、成績が足りなくないか?
多分、杏も同じ意見だと思うけど。
「柳原、どうして医者になりてぇの?」
「佐藤くんまでそんなこと…。」
「ちげぇよ、俺をアイツらと一緒にしないでくれよ。」
失礼な。
なぜ私まで…杏だけなら分かるけども
「えへへ。実はね、小さい頃は身体が弱くて病院通いだったの。でもね、そんな私を助けてくれた先生がいて…憧れたの。」
「あーもしかして。」
「うん!小さい頃からの夢なんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!