12.決意

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杏は近くの大学。 大ちゃんは野球のスカウト。 鈴は医者になるために医学部希望。 きっとユウも考えてるだろうな。腐れ縁だからそれが分かっちゃう。 じゃあ私はどうだ? 私は………将来のビジョンがない。 全くってわけじゃないけど……意味ないし。 天音といたい。 でもそれは願望でしかない。具体的なプランがない。 ただ大学行って就職する。 そんな漠然としたものしかない。 「そうだ。鈴羽、千景。この後用事ある?」 「私はないよ?」 「千景は?」 「特には……。」 その時だった。 ポケットに入れていた携帯が震えたのは。 この場合は…メッセージだな。 一応学校にいるときは、マナーモードにしているし。 相手は……マスター? 『学校終わったら、店に来い。』 珍しい。 今日はシフトが入ってる日でもないし、手が足りないときは理由をつけてくる。 岸本やヒナが来られない場合は、本人から直接連絡あるし…。 「悪い、ちょっと用事できた。」 「あー天音ちゃん?」 「違う、店。」
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