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「はぁ…はぁ…。ありがとう。」
「別にいいよ。」
「助かったけどさ。お前こんなところで何してんだよ、阿島。」
「何ってサボりに決まってんじゃん。」
しれっと答えるこいつは…阿島紫乃。
ショートカットで派手な見た目ではないけど、杏が言うには私とは違った問題児。
ほとんどこの学校に友達がいない私でも知ってるのは、去年同じクラスで杏と一緒につるんでたグループの一人だから。
二年になってクラスが離れてから全く会わなくなったけど…まさかこんなところで会うとは。
「去年以来かい?久しぶりに会ったと思ったら何やら面白いことになってんじゃん。瑞木、今度は何をやらかしたん。」
「はぁ?今度はってなんだよ。阿島と違って何もやらかしてない。」
この生徒指導室常連バカには言われたくない。
うっわ、なんでそんな残念そうにしてんだよ。
「でも何かやらないと"あの"赤鬼が血相変えて追いかけないだろ。」
「……………つまり?」
「赤鬼が追いかけるとか何か面白いことやらない限りあり得ない。聞かせろよ。」
それが本音か。
こいつも相変わらずだなぁ。
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