1.波乱の二学期

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それしかないかぁ。 追いかけられたくないし、終いには杏あたりも捕まえてそう。 「阿島ってバカなのに悪知恵だけは働くな。」 「バカなりに生きていく術よ。」 だから威張るなよ。 全然自慢じゃないから。 「瑞木。お前さ、二年になってからなんかあったろ?」 「は?急になんだよ?」 そりゃあったよ。 厳密に言えば、なる直前の春休みから。 天音と出会えたことが一番大きい。 「変わったよな。」 「何が。」 「近寄りがたいところは変わってないけど。」 「じゃあ近寄んな。」 「だがあえて近寄るのが私なのだ!!」 イラァ。 忘れてたけどこいつはこういうやつだった。 それに……。 「なんとなくだよ。なんというか肩の荷が降りた感じでスッキリでもしたか?」 こいつは、バカの中でも究極のバカだけど。 周りをよく見てるやつだった。 「まぁそんなとこ。」 「あと彼女も出来たとか?」 なっ………。 周りをよく見すぎじゃね!? ってかなんで知ってんだよ。
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