4.それはかつて

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「でも…。」 「うん?」 「わ、私は負けませんからね!それに…先輩のこと、き、き、嫌いですから!いつか…追い越してやりますっ!」 「お、おう。」 何をそんな必死になるんだ。 宣言までして。 意味が分からない。 「おいおい、またか。」 「……………千景ちゃんの女たらし。」 え?え? マスターはとにかく天音まで何言ってんの!? 絶対違う。 絶対天音の勘違いだと思いますけど。 「先輩のばか。」 「だから何のことだよ?」 口の悪いこの後輩は、私を見てにんまりとして……。 「絶対追い抜きます。覚悟して下さいね?……色々と。」 初めて見たつばめの笑顔は、意味深なものだった。そして私は深く考えてはいけないことを悟った。 「千景ちゃんは渡さないもん…。」 何やら影で戦いが起ころうとしているのも私は知らないのであった。
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