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「それは天音もね?」
「う…。気をつけます。」
私から見たら天音が一番心配なんだから。
いっそ近くで見ていたいくらいなんだ。
だって酔った天音の破壊力に行動力はもう凄まじいのなんの。
「で、でも女の子だけだもん。」
「それでもだよ。行くのはカフェじゃないでしょ。」
「う、うん。『お好みに焼いたれ』っていうお好み焼き屋さんで…お酒も美味しいって評判のところだよ。」
…………何その店の名前は。
お好み焼きだから、お好みに焼けってことか?
うーん。
ツッコミは入れない方がいいかもしれない。
スルーしよう。
「あ、ちょっと早いけどそろそろ帰るね。家でやることあるの。」
「そっか。気をつけてね。」
もう少し一緒にいたかったけどしょうがない。ここは我慢。
「千景ちゃん。」
「なに?」
「行ってらっしゃいのキスほしいな。」
「いいよ。」
私もしたいし。
そういえば、行ってらっしゃいのキスなんてしたことなかったっけ。
そう思いながら天音の腰に腕をまわす。
天音も私の首に腕をまわし、密着して。
「行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
いつもよりは短いソフトなキスを交わして天音を見送った。
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