5.とある一日

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少しばかり恥ずかしかったけど、名残惜しさの方が強い。 休みに天音と会うときって基本的に一日ずっと一緒だから。 「さて、どうしたものか。」 まだまだ時間あるし。 半日とはいえ、バイトもない完全休日で一人で過ごすことは久しぶりだ。 いつも何してたっけ。 「あ、ユウが来てた。」 天音と付き合うまではユウや杏、大ちゃんと過ごしてたっけ。 二人いなくても基本的にユウがいた。 「もう過去の話なんだよなぁ。」 ユウが持っていた合鍵は、引き出しにある。 だからユウが来ることはもうない。 それはそれで…。 「やっべ、全然寂しいとか思わねぇわ。」 ごめんよ、ユウ。 思ってた以上にユウの影は薄いわ。 「家で勉強するのもなんかなぁ。」 やる気が出ないし。 何かやること……。 「冷蔵庫の中身も潤ってるし。」 天音と買い物で何日分か買ってるから、それこそ行く意味ないし。
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