5.とある一日

2/60

453人が本棚に入れています
本棚に追加
/351ページ
とある日。 つばめことヒナ、または雛鳥(マスター命名)がカノンに入ってから大分仕事に余裕が持てるようになった。 なんというか、覚えが早いのだ。 まだ雑用とレジだけど、すでに一人で私や岸本のフォローなしでも動けるほどに。 あ、これは余談だが岸本のやつも私と雛鳥を見て遠い目をしていたっけ。 意味が分からん。 「聞いてるの?千景ちゃん。」 「んあ?聞いてる聞いてる。」 しまった。 少しだけ自分の世界に入ってたらしい。 天音と休日のんびりできているってのに。 ちなみに今日は半日だけ私の家でのんびりしてます。 天音が夜、予定があるらしいから。 「だからね、千景ちゃんの女たらしっぶりが上がってると思うの。」 「………ちょっと待て。どうしたらそうなるのさ?」 あれ? 確か今日の夕飯とかその辺りの話をしていた気がするのだけど。 いつの間に訳が分からない話になったんだろう? 「ギャップが凄いから惚れちゃうのも分かるよ。千景ちゃん、誤解されやすいから好かれていくのも嬉しいんだよ。でも恋人としては面白くないかな。」 「全くもって何を言っているのか分からん。歩いてる時とか野郎共の視線には気付いてるけど、それだけだろ。今は私に誰も惚れてなんかないでしょ。あと誤解とかどうでもいいし。」 まぁユウは除いて…の話だけど。 本人曰く気持ち的に諦めはついたらしいけど、片思いが長すぎてそう簡単には次にいけないことをぼやいてたっけ。 ………幼稚園くらいの頃からだからなぁ。
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

453人が本棚に入れています
本棚に追加