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女は自慰をするかしないか。私は前者だ。男性はアダルトビデオを観たり、写真集を片手に持ちながら自慰るみたいだが、私はそれと比べて考えると、おかずなんていらない。想像と両手が使えれば十分だ。
だいたい土曜日の夜にベッドの中でもぞもぞと自慰る。右手で胸を揉み、左手で下半身を触る。私は早漏みたいで直ぐにイクことが出来る。時間にして15分くらいだろうか。
今日は10月終わりの土曜日の夜だ。お父さん、お母さん、弟と晩酌をした。平日は飲まないことに決めているので6日ぶりだ。家族で酌み交わしたビールが心地よく身体に回って、下半身に熱を持っていた。
「お父さん、私、先に寝るね」
「おお、もうそんな時間か。亜美、ゆっくり寝るんだぞ」
お風呂は夕方に済ませてしまっている。後はベッドに入って何時もの手順を踏むだけ。週末にはこれをしないとスッキリしない。
「お姉ちゃん、もう寝るの?オセロ遣んない?」
階段を上ろうとした時に弟に呼び止められた。
「ダメ、ダメ、酔ってオセロなんかしたら負けるに決まってるもの。明日、浩太は大学が休みでしょ。昼間にしようよ」
「何だよ、ちぇっ」
弟は舌打ちして「じゃあ、明日必ず遣ろうぜ」と言った。
「ウン、明日は日曜日じゃん」
「ああ、昼間は用事があるけどな。夜だったらいいよ」
「ふん、そう」
私は鼻で返事をしてから2階に行き、バタンと自室のドアを閉めた。部屋にはテレビが置いてある。何時も寝る前はテレビを点けているので、今日も自然にリモコンのスイッチを押す。画面にはお笑いコントの特集が映し出された。
何だか調子が狂うがもとよりムードなんか気にしてはいない。私は部屋着にしているコットン素材で出来たワンピースの裾から手を入れた。テレビが観たかったわけではないのでチャンネルは変えない。目的は1つだ。
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