妹はシェフ

うちで昼食は妹が作る
パスタ　チャーハン　ホットケーキ
どれも美味しい美味しい

ところが妹はある日怒って昼食を作らなかった
あんまりにも口を利こうとしないからわけも聞けない
私のお腹はぐううと控えめに鳴った

今日も妹は昼食を作ってくれない
妹は一人で作って一人で食べた
あんまり美味しそうだから

「ちょうだい」
「嫌だ」
「お腹すいた」
「嫌だ」
「どうして」

むっとして
「だって美味しいって言ってくれないんだもん」

妹はぼそっと言った

私は美味しいって思っていたのに
不味かったら食べないのに

思っても伝わらないんだ
お腹がぐううっと鳴った

優しい妹はいやいや私にも分けてくれた
美味しそうな昼食

「いただきます」

一口頬張る

美味しい美味しい
「･･･美味しい」

言葉にした

妹は笑った
「ありがとう」

私の妹は「美味しい」を糧にする最高のシェフ