Trac01 Santa Baby/アーサ・キット

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「私、その、歌手を目指してて、人前で歌う機会があればと思いまして、だから、ボランティアでもいいので、歌わせていただけませんか」 後藤はニコニコしながら「いいですよー」とあっさり言った。 アリサはありがとうございます!と勢いよく頭を下げた。 「じゃついでだから、2人いっぺんに面接しちゃいましょう」 後藤はピアノを指差した。 「曲は?」 俺はモッズコートを脱いでピアノの前に座った。 「何でもいいですよ」 「ちょっと触っていいですか。曲とは関係なしに」 「どうぞ」 ニスに木目が透けた鍵盤を触って、指が沈み込む時の硬さを確認する。
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