魔法の鏡

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その部屋の鍵を開けた。 奥に進むと大きな鏡が置いてあって鏡の前にソファーが置いてあった。 鏡を覗き込んでみたけれどおかしな感じはしなかった。 辺りを見渡して他に何もないことを確認してからソファーのほこりを払って座る。 私(鏡と話していたってうわさは嘘だっあのだろうか・・・) そんなことを考えていたら後ろから 「久しぶり」 と声が聞こえた気がして身をひるがえしてみたけれど誰もいない 両肩に何かがふれた 「鏡を見て」 言われたとおりに鏡をみる そこにはソファーの後ろに立って私の肩に手をそえた美しい男性が立っていた。 鏡を見たまま体が凍り付いたように動かない。 男「あれ?・・・失礼、人違いのようだね・・・」 男「怖がらなくても大丈夫、少し話をしないか?」 私「・・・はい、たぶん私の母と間違えたのだと思います」 男「なるほど」 そういいながら彼は私の首に腕を回し顔を横に並べた 鏡の中ではそう見えていたが私の顔の横には何もなかった 男「君はあの女の娘か・・・確かに似ているかもしれない・・・彼女に最後に見せた顔に似ているか・・・」 私「・・・」 男「そうか、それで君は私が何に見える?」 私「・・・?・・・美しい男性に」 男「なるほど」 そういいながら彼は私の胸に手を伸ばし撫で始めた 男「彼女には私が美しい女性に見えていたらしい」 私「?」 男「人の欲求とは不思議だとは思わないかい?」 私「・・・」 男「君の母親は「私よりも美しい女性を見せて」と私に頼んだ、そして私はそれを見せた」 私「・・・どうやって?」 男「世界中の鏡をつなげることができるんだよね」 私「なるほど」 男はスカートをめくり腰に手を伸ばす 私の体の反応を見て楽しいんでいるようだった 男「最初のうちは髪型や化粧を変えて飾っていたが限界をかんじたのだろう」 私「限界?」 男「見せた女性が鏡の前に現れなくなった」 私「・・・」 男はソファーに座り私を男の腰の上に座らせ中に入ってくる 男「まぁ、そういうことだ美への欲求が嫉妬になった」 私「そうですか」 男「それに気が付いたのは、だいぶ後のことだ・・・確か君の顔を見せたのが最後だったかな・・・」 私「・・・そうですか」 鏡の中の私は確かに身動きができずに犯されている 中に入っている感覚はある 人の上に座っている感覚もある 胸を撫でられている感覚もある けれど宙に浮いている 怖くて動けない 男「君の話をききたい」 私「私の話?」 男「君がこの部屋に来ることになった経緯を聞きたい」 私「母が死んでこの城を・・・国を治めることになりました」 男「?・・・それが結果か・・・」 私「はい」 男「君は鏡の前に現れなくなった・・・何かあったのでは?」 私「ある日、城からさらわれました。今の話からすると母の雇った男だったのでしょう」 男「なるほど」 私「そして犯されて国境の森に放置されました」 男「それでどうやって戻ってきたんだい?」 私「森で小人に拾われました」 男「ほう?それで小人との生活は楽しんだのかい?」 私「小人が7人でわわされるのかと思ったのですが・・・」 男「期待したのかい?」 私「いいえ、あきらめたといったほうがいいでしょうね」 男「それで」 私「なにもありませんでした」 男「何も?」 私「小人ですからね、向こうもプライドがあるみたいで人間とはしないみたいです」 男「なるほどね、それで?」 私「女性に林檎をもらいました。」 男「?」 私「のどに詰まらせて仮死状態になったそうです」 男「・・・」 私「そこに通りかかった隣の国の王子が私を引き取ったそうです」 男「・・・死体を?」 私「はい、死体を、輸送中の衝撃でのどに詰まった破片が取れて息がもどったらしく城についた時には意識がありました。」 男「話が見えない」 私「だと思うます。体裁が悪いので王子は私と婚約しまいた」 男「それはおめでとう」 私「その後、何度か殺されそうになりましたが」 男「それは気の毒に」 私「まぁ、死体が好きな変態でしたからね」 男「なるほど、それで?」 私「王様が亡くなって王子が国王に就任、私を追い出すために隣国のこの国を攻め落として私の母親を殺害」 男「おやおや」 私「厄介払いで私をこの国の女王として囲ったと言えばいいでしょうか?」 男「なるほどね・・・それで、私に会いに来た理由は」 私「・・・あなたは誰?」 男「鏡に住む悪魔といったら?」 私「・・・」 私「もっと」 男「?」 私「だいて」
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