第一王子と幼き鳥

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── この日のことは、歴史書にはこう続く。  古鳥種より初めて、アバールの王族へ嫁いだ存在として、エレの名は広く知られることになる。第一王位継承者であるアーリャ王子のつがいである彼は、空を自在に飛ぶだけの力を得たその日、家族の制止を振り切って王宮まで飛んだ。  空からの侵入者に王宮はどよめき、警備の兵は矢を射る覚悟さえしたという。  彼は、窓を破って執務中のアーリャ王子の元へ飛び込んだ。  この日を境に、エレは正式な婚約者として迎え入れられた。  かつてアーリャ王子が、約束した通り。  
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