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ウチで盛大にバースデーを祝おうと、親に頼んで出張シェフまで手配して翔太の為にパーティーの準備をしたんだ。
翔太のクラスの奴等にも気を遣って、二次会用にカラオケ店を貸し切ったりまでしてさ。
あの時は、翔太だって喜んだじゃないか!
――――と、俺が猛抗議をしたところ……翔太は困ったように、綺麗な弓型の眉をキュッと寄せて喋った。
「あのね、君の気持ちは嬉しいよ」
「だろ!? 」
「クラスの連中も、なんて気の利いたヤツなんだって君のことを褒めてたし」
「うんうん、そうだろう! 」
「みっくんも君のことを気に入ったみたいで、珍しく御機嫌だったし」
「――……アイツまで来たのは想定外だったが、まぁいい。とにかく、俺は皆に高評価だったわけだな? だったら、あとは俺たち、このまま付き合うだけだろう! 」
「あのね……」
「なんだよ? 」
「そのセリフは、あと最低でも10年経ってから言ってほしいね」
そう言うと、翔太は――――オレを見下ろしながら、嘆息した。
「君は、まだ小学生だろう? 」
「う……」
「俺は、高校生なんだよ? こうやって時々、歳の離れた従兄弟である君と遊ぶのはいいけど、付き合うとなったら話は別だ。俺は世間から、とんでもない変態だとバッシングされちゃうよ。――――みっくんからもね」
「あ、あいつなんかっ! 」
「君は、みっくんの悪口ばかり言う。それもイヤなんだ」
「でも――」
だってアイツは、いっつもダサいスウェットばっかり着ていて、他の服を着ているのなんか見た事もない。
顔だって、大したことないし。
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