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10=LOVE?
アイツより、絶対に俺の方がイケてるはずだ。
だってアイツは、いっつもダサいスウェットばっかり着ていて、他の服を着ているのなんか見た事もない。
顔だって、大したことないし。
伝え聞いたところによると、頭の出来だって普通だっていうじゃないか。
それに比べたら、俺の方がずっとイケている。
いつだってファッションは最先端のものを選んでいるし、頭だって学年でトップクラスに入る。
顔も何もかも、俺の方がずーっとイケてる筈だ。
だから、アイツなんか捨てちまって、俺の方を選べと言うんだ。
なのに――――
「ごめん」
また、これだよ!
「おい! いい加減にしろよ!! あんた、目が腐ってるんじゃないか!! 」
床に薔薇の花束を叩きつけ、俺は言う。
「この俺が、付き合ってやってもいいと言ってるんだぞ! どうしてそこでハイって言わないんだよ! 」
すると、俺の思い人である内館翔太は、申し訳なさそうな表情になって首を振った。
「これは、理屈じゃなんだ。俺は、みっくんがやっぱり好きだから」
「三国岳人なんて、ビンボー人のバカっていうウワサじゃないか。俺の方が、ずっとレベル高いだろう!? なのに……」
だが、そこで翔太はキッと眦を吊り上げた。
「みっくんの悪口を言うのは、やめろ! 」
「しょ……翔太……」
アイツは、本当にしょうもない男だ。
そして、とんでもない無精者だ。
だって、昨日だって、翔太の誕生日も忘れて釣り堀に行ってボーっとしてたんだろう?
それに比べて、俺は翔太の誕生日に合わせて、色々な準備をしてやったじゃないか。
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