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「どうしたら彼女と狙ってる男を離せられると思う?」
一応自分なりに考えてみたけど…どうにも決め手に欠けるし、不可能ばかりだった。
瑞木ならどうする?
「つまり………紫乃ちゃんの白鷺さん?を彼女のことを好きな男の子から守りたいってことかな?」
「そうです。彼女に教えようかとも思ったけど多分、話を聞いてくれない。」
「難しいね……。」
「んー、そう………え、瑞木?」
なんでこっち睨んでんの!?
すっごい「なんで悩んでるのか分からん。」みたいな顔してんの!?
え、え?
なんでだよ!?
「はぁ…。」
「瑞木さんや。ハッキリ言ってくだせぇ。」
「お前が真面目に悩んでるのが信じられないんだけど。」
「おおう!?ひでぇな!?」
こちとら結構本気で悩んでるのに!
ひどくないですか?
「私から言わせてみたら阿島が劇をまともにしようとしてるのがちょっとね。」
「え、だってクラスの出し物でこれでもむちゃくちゃ練習したんだよ!?」
「それがお前らしくない。」
私らしくない?
「違和感しかないって言ってんの。今までまともに何かをしたことある?ないっしょ。」
「千景ちゃん…言ってることひどいよ?…」
「まぁ…うん。でも阿島に限ってはそうじゃないだろ?」
それは……うん。
私がまともにやってることなんて……ほぼないに等しい。
「あぁ、そっか。」
なるほど、そういうことか。
というより……うん、そうだね。私らしくない…か。確かにそうだ。
それこそ瑞木の手伝いだって面白そうだったし、事実やりたい放題やった。
それが私だ。私のはずなんだ。
それなのに、白鷺さんに夢中になりすぎて見失ってたかもしれない。
「なんで手段を選んでいるのだろう。今日は文化祭、祭りなのに。」
「やりたいこととやるべきこと、決まったようだな。」
「うん。これは礼をいうよ。ありがとう。」
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