最終.白雪姫

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『それでは、白雪姫の開幕です。』 進行役が伝えると同時に舞台の幕が上がる。 『昔、とある西洋の町でお姫様が誕生しました。そのお姫様は…。』 ナレーションが始まる。 最初にナレーションで白雪姫の生い立ちなどを語って、彼女が大きくなったところから私達の劇が本格的にスタートするのだ。 「まぁ…綺麗なお家があるわ。自然も美しいし、動物たちも可愛いわ!」 王子と初めて会って、お妃(魔女)に追い出されて森など自然豊かの場所にたどり着く。 ちなみに白鷺さん、とても上手いです。 簡単に歌うシーンもあったけど、歌も一生懸命さがよく出てる。 「本当に綺麗な家ね。誰か住んでいるのかしら?」 『白雪姫は綺麗な家を物色し始めます。』 ここで笑いが起こる。 忠実には沿っているけれど、アレンジも多い。ここのナレーションもその一つ。 「あーあ、疲れたわ。誰もいないし、疲れたから寝るわ。怒られたらその時謝ればいいでしょう。きっと許してくれるわ。」 『誰かしら住んでいる形跡を見つけましたが、誰かまでは分かりません。白雪姫はだんだん面倒になってきて、その上疲れたので傍にあったベッドに入って勝手に寝ました。』 笑いは続く。 ちなみにここのナレーションは私のアイデアが反映されている。 『少しすると、家主が帰ってきました。7人の小人たちです。』 「ただいまー。」 「なんだー?人間臭いぞ?」 「えー?匂いなんてする?お前変態?」 「お仕事…ブラック…はぁ…。」 「そんなことよりお前いつ結婚すんの?」 「相手なんていないっしょ。」 「ギャルゲーやりたい。」 それぞれ小人たちが台詞を言いながら家に入る。そこで匂いに敏感な小人は、匂いを便りに白雪姫の眠るベッドに近付く。 「誰かいるぞ…。」 「寝てるぞ。」 「あいつは不法侵入している。僕たちの家の財宝をとりにきたんだ!」 初めて見るお姫様。 戸惑いながらもその美しさに目を奪われる。 「ん…。」 「起きたぞ!」 「あわあわあわ。」 「白い……可憐…。」 「お前ら変態。」 「お仕事終わりのご報告や…。」 「…………可愛い。」 「画面越しのヒロインの方が可愛くね?」 「あら……?」 『白雪姫は目を覚まします。目の前には七人の小人。それを見た白雪姫は…。』
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