最終.白雪姫

16/21
前へ
/165ページ
次へ
倒れた白雪姫を見つけたのは小人たち。 彼女を慕っていた小人たちは、なんとかしようとしたが、白雪姫は起きない。 小人たちに出来たことは、自然豊かな地で白雪姫を寝かせることだけ。 そして………。 「なんということだ……。」 最初以外ほとんど出番のなかった王子様が登場する。 白雪姫を見て、悲しむ王子様。 だがその寝顔は美しく、思わず頬に手を……って待て待て待て!! そんなアドリブはいらない!! 何どさくさ紛れに触ってるんだ!! 「……やっぱり嫌だ!!」 白鷺さんが他の人に触れられているだけで…こんなにも嫌な気持ちになる…。 私は……やっぱり!! 「愛しの白雪姫。どうか僕のために…目を…目を開けてくれ。」 演技なのか本心なのか分からないが、少しずつ顔を……目を閉じている白雪姫に近付け…。 そこで照明が落ちた。 「「え!?」」 「うわぁ!!」 クラスメイトがさらなるアドリブに驚き、王子様も驚く。 なぜって? 照明が戻ったのと同時に…。 「「「え!?魔女!?」」」 「申し訳ないけどさぁ、王子様。お前に白雪姫はあげないよ。」 私は白雪姫に手を出そうとする王子にタックルをプレゼントして、再び舞台に上がった。 きっと周りは、こう思っているのだろう。 なぜそこに魔女がいるんだ、と。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

226人が本棚に入れています
本棚に追加