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「信じられないのは分かるよ。今まで曖昧な態度しかとってなかったし。言い訳じゃないけど…初めてのことで、嫌われたくなくて…黒い部分を隠した。」
それは今でも変わらない。
きっとこれからも……私は黒い部分を隠し続けると思う。
でも……。
「でも…もう我慢はしない。嫌われたくなくて色々遠慮しちゃったけど…。そんなの私らしくない。さっきも白鷺さんに触れさせたくなくて、私の気持ちも伝わってほしくてあんなことした。これからも嫉妬するし、手を出すから、覚悟してね。」
「…………そんなの、ずるいです…。」
「ずるくて結構!私はそういうやつだ!そんなやつを惚れさせた雪姫が悪い!!」
これこそ私の得意の開き直り!!
もう、吹っ切れた!!
何度拒絶されようが手を出してやるもんね!
「阿島さんは、本当に…ずるい…どれだけ私が悩んだと…。」
「だって好きだから。雪姫は?私のことはもう嫌いになった?」
「~~!!そんなわけ…。好きだから…すごく悩んだのに!!」
ヤバい、にやける。
変わらず好きでいてくれて嬉しい。
「なのに…名前呼んでくれて…キス…で悩んでたことも、怒ってたことも…吹っ飛んじゃっいました…。」
「いっぱい待たせてごめん。」
「………はい。私こと信じられなくて……ひどい態度とってしまって…ごめんなさい。」
彼女の目から溢れる涙を拭ってあげる。
誰かが泣くところを、こんなにも綺麗だと思ったのは初めてだ。
「また、付き合ってくれたら許すよ。」
「ふふ、私こそ…。」
久しぶりに見る彼女の笑顔にまた胸が高鳴る。
やっぱり笑顔の方が似合う。
頬に手を添えれば、彼女の方からも擦り寄せてくる。
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