貴方の隣に座ったのは私でした

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貴方の隣に座ったのは私でした

私の女優名を検索すると ツイッターにもSafariにも未だに 堂々と股を開く私がいます。 スクロールすると 私が何人もこっちを向いて笑っています。 日付だけが変わり映る自分はどれも同じです。 過去に過去にスクロールします。 いまでもそれを見ていると 喜怒哀楽します。 ただ唯一、私が好きなパッケージがあるのです。 けれどそれは中々出てきません。 人気がなかった、需要がなかったのでしょうか。 私には金額がついていたのだと身にしみます。 悲しいことでしょうか。 私はもはや清々しいです。 生きても死んでも私には価値があると思えるからです。 リストカットは 怖いし痛そうなのでためらい傷をつけ 少し流れる血を見て泣いて後悔します。 命に重さなんてないのだと思っています。 みんな同じです。 今戦争で戦ってる人達の命と 自分の命も一緒です。 けれど、 病気は私に一つ教えてくれました。 病院には生きたいと強く思う人が沢山います。 集まっています。 痛みや悲しみに耐えられない中で 必死に生きている人達です。 私はその人達を見て、 私の命を考えました。私を考えました。 私も入院してました。 私も生きたいです。 楽な人生を歩むために勉強をします。 愛することを誓って結婚もしたいです。 だから、 私は今日も病院からもらった薬を飲みます。 わかりますか? 私は退院してよく分かったんです。 今までの私の人生は序章にしか過ぎず、 これからが本番なのです。 私は必ず、公に出てもっといろんな人間に出会いたいです。 バケモノのような人間もいるでしょう。 それでもいいのです。 明日電車やベンチで貴方の隣に座るのは そんな考えを持った人間、 私かもしれません。
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