狭い社会の規則性のないルール

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狭い社会の規則性のないルール

虐待やネグレトなどといった言葉を知ってますか? 私は健全に育てられました。 朝昼晩のご飯もありましたし、 綺麗な服に一人部屋もありました。 私には兄がいますが兄も同じです。 しかし、 今思えば不可解な生活があったことも確かです。 私の母と父はよく喧嘩をしました。 互いを罵倒し合う と思ったら突然泣き出し、 謝り合う。 罵倒しあってる母と父は好きではありませんでした。 階段の一番上で 一階で騒ぎ合う母と父の声を聞いていました。 30分の時もあれば2時間以上の時もあります。 思いだすと、 幼稚園からずっとこんな感じでした。 心の中でいつもこう思ってました。 いや、思うようになってました。 「どちらかが殺してしまうのではないか」と。 だからいつも声を聞いていたのです。 いつでも静まり返った時に見に行けるように。 受け入れられるように。 私は父と母を受け止めたかった。 わかってあげたかった。 喧嘩が愛なのだと私は思い込みました。 飲み込みました。体に入れました。 そうするしかなかったのです。 何不自由ない生活だと思いたかった。 私は幸せだと思いたかった。
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