楽園

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楽園

何度か少女漫画や軽めのエロ漫画を読み進めるうちに、 だんだん気づいてきたことがありました。 それは 男性の性器が 書かれていないこと。 女性の性器も 書かれていないこと。 ずっと不思議でした。 そんな時、 友人がブックオフに行きたいとわたしを連れて行きました。 友人が目当ての漫画を探している間、 わたしはふらりふらりと導かれるように アダルトゾーンに惹かれていきました。 勿論、小学三年生のわたしはアウトです。 友人が夢中になってるうちに。 わたしは一冊手にてきとうにとり開きました。 絶句しました。 女性が犬のような扱いを受けていたのです。 今まで読んできた本は愛や恋から始まり、 男性の腕の中で包まれて終わるような、 そんな作品ばかりでした。 手にした本は、 まるで奴隷です。 胸がばくばく鳴ってました。 呼吸も荒くなってました。 その時のわたしを見せてあげたいです。 ページをめくるたび繊細に細かく 描かれていました。 わたしがみかったことはこれだったんだ。 真実だった。 夢ではなく、この人間同士の醜い愛情表現が、 わたしはとてつもなく見たかったのです。 わたしはこの時、 初めて 濡れた と感じました。 わたしは小学三年生にして、 男女を知る扉を静かに開け一人で歩き出していたんです。
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